7月17日、待ちに待った岩手採集の日が来た。
今日から20日までの3晩、街灯回りでオオクワを狙うのだ。
今日から20日までの3晩、街灯回りでオオクワを狙うのだ。
この日を迎えるために、7月に入ってから前半は通信関係の肉体系仕事、
後半は取材に原稿書きと目いっぱいのスケジュールで動き回っていた。
なかなか楽をしては、このような遠征には行けない身分なのである。
後半は取材に原稿書きと目いっぱいのスケジュールで動き回っていた。
なかなか楽をしては、このような遠征には行けない身分なのである。
千葉の自宅から岩手県南部のポイントと思われるところまで約500キロの計算だ。
私は単純に
「1時間に50キロ進めば10時間で着くなぁ」
「下道で行って、途中食事や休憩を入れても13時間もあれば十分だ」
と予測した。
「1時間に50キロ進めば10時間で着くなぁ」
「下道で行って、途中食事や休憩を入れても13時間もあれば十分だ」
と予測した。
朝4時半に自宅を出発~♪
予定通りなら現地に夕方の5時半頃着くはずだ。
予定通りなら現地に夕方の5時半頃着くはずだ。
5時15分 茨城県入り
↓
6時57分 栃木県益子町
↓
9時12分 福島県白河市
↓
13時19分 宮城県白石市
↓
6時57分 栃木県益子町
↓
9時12分 福島県白河市
↓
13時19分 宮城県白石市
ここからは、しばらく走ってきた国道4号が大都市・杜の都仙台方面に逸れて行く
ため、宮城県古川市まで東北道を利用した。
最初から東北道を使えばかなりの時間短縮になるが、成果が無ければボツになる
かもしれない採集記(昆虫フィールド誌・くわがた日記番外編)に
多大な費用はかけられないのである。
ちなみに昼飯は、カミさんの手作りオニギリ3ヶだ。
ため、宮城県古川市まで東北道を利用した。
最初から東北道を使えばかなりの時間短縮になるが、成果が無ければボツになる
かもしれない採集記(昆虫フィールド誌・くわがた日記番外編)に
多大な費用はかけられないのである。
ちなみに昼飯は、カミさんの手作りオニギリ3ヶだ。
途中パーキングで仮眠を取ったのにも関わらず、
16時半頃には岩手県に突入することが出来た。
16時半頃には岩手県に突入することが出来た。
街なかの大型スーパーで、パンやお茶類を買い夜間採集に備える。
時間は早いが、ここで夕食を取る。
もちろん夜の採集に勝てるよう、食べたのはカツ丼。それに蕎麦が付いた定食で960円。
とても美味しく、よーしやるぞという気になった。
時間は早いが、ここで夕食を取る。
もちろん夜の採集に勝てるよう、食べたのはカツ丼。それに蕎麦が付いた定食で960円。
とても美味しく、よーしやるぞという気になった。
スーパー駐車場に戻った頃の天候は、どんよりした曇り。
雨よりも冷たい風が心配になった。
長年の会津採集でも雨の日は何度か経験しているが、温かければ虫は
飛ぶものなのだ。しかし、気温が低いと星空が出ようと虫は出ないのである。
雨よりも冷たい風が心配になった。
長年の会津採集でも雨の日は何度か経験しているが、温かければ虫は
飛ぶものなのだ。しかし、気温が低いと星空が出ようと虫は出ないのである。
まっ、3日あるのだから、気楽に行こう
自分の中で、かってにポイントロードと推測した道をひた走る。
午後6時を回り、街灯に明かりがポツリポツリと点いていく。
午後6時を回り、街灯に明かりがポツリポツリと点いていく。
小さな山や大きな山、山裾に広がる田んぼ、古びた神社の鳥居。
窓を開けていると、常に冷房のような冷たい空気が入り込んだ。
「ああ、今、俺は岩手にいるんだなぁ」としみじみ思った。
街中から20~30キロは走っただろうか、標高が高くなったようで、
気温は下がり、なにやらモヤのようなものが出始めた。
気温は下がり、なにやらモヤのようなものが出始めた。
路上に設置された気温計は、14℃になっていた。
まだ時刻は、午後6時53分である。
まだ時刻は、午後6時53分である。
自分は30代前半の頃、とある昆虫園を手伝っていた事がある。
ある日、昆虫商品の業界の方が訪れ、生き虫の保存方法について
「生き虫は、活動するかしないかの間の温度で飼うと
長持ちをする。その温度はだいたい17~18度だ」と教えてくれた事を
思い出した。
「生き虫は、活動するかしないかの間の温度で飼うと
長持ちをする。その温度はだいたい17~18度だ」と教えてくれた事を
思い出した。
と言う事は・・・
「活動しねぇーよ」
まっ、3日もあるんだから気楽に気楽に(^^:
ここは、インターバルを置いて温泉でも浸かるか~。
(この道がポイントとして合っているか分からない。温泉宿の
人にでも聞いてみたいという考えもあった)
(この道がポイントとして合っているか分からない。温泉宿の
人にでも聞いてみたいという考えもあった)
温泉は天然温泉。午後5時を過ぎたので、大人200円ですと言われた。
えええっ、天然の温泉が200円~。
とても得した気分だ。この後、採れるかもしれねぇなとプラス思考に・・・
えええっ、天然の温泉が200円~。
とても得した気分だ。この後、採れるかもしれねぇなとプラス思考に・・・
先客は1名だけ、広い湯船にゆったりと浸かる事が出来た。
極楽、ごくらく~♪
フロントのおじさんに聞くと
「昔は、大きなライト照らして採るプロみたいな人が来たけど、最近見なく
なったねぇ、ミヤマならその辺でも採れるよ」
極楽、ごくらく~♪
フロントのおじさんに聞くと
「昔は、大きなライト照らして採るプロみたいな人が来たけど、最近見なく
なったねぇ、ミヤマならその辺でも採れるよ」
温泉宿を出て、リスタート。
霧もかかり、小雨も降り出す。
気温はさらに低くなっていた。
「おいおい、俺が何したっちゅーねん」
ダメだ、ここは標高が高い。標高を下げれば、天候も気温も
変わるかもと来た道を戻り、もう一つのポイントと思われる地域に
向かって行った。
変わるかもと来た道を戻り、もう一つのポイントと思われる地域に
向かって行った。
霧は無くなったが、小雨は止まなかった。
ワイパーのゴム音が悲しく響いた。ムギュ
4、5回、カーブを曲がると急に雨が止み、ほんのりと温かさを感じる地域に出た。
まるでここだけ、何かのバリヤに包まれている。そんな感じだ。
橋があり、その袂に水銀灯がギラギラと光っていた。
明かりの差す範囲と闇の範囲の中間あたりにカブト♀、続いてノコ♀を見つけた。
この現場は乾いていたが、飛翔してきた彼らは濡れていた。
とりあえずノコ♀はケース。カブ♀はリリース。
明かりの差す範囲と闇の範囲の中間あたりにカブト♀、続いてノコ♀を見つけた。
この現場は乾いていたが、飛翔してきた彼らは濡れていた。
とりあえずノコ♀はケース。カブ♀はリリース。
彼らの発見により、少し期待の花が膨らんだ。
この橋から、さらに数十キロ。
ポイント方向の山が何か変である。
赤く光っているのだ。
ポイント方向の山が何か変である。
赤く光っているのだ。
初めは、強力ライトトラップの採集人かと思ったが、何か違う。
私には山が燃えているように見える。
いったいこれは・・・?
<続く>