灯下採集は樹液採集や材割採集と違って
採集者の持っているツキや引きというものが
大きく左右する場合がある。
したがって引きの強い人の場合は初心者でも
オオクワが拾える事があるのだ。
山形採集一週間前に回った南会津採集でこんな事があった。
その日は、多くの採集人が南会津の各所に出没していた。
私はオオクワガタ実績のある集落前の
駐車スペースに車を止め、一回りしていた。
何頭かの普通種を手に戻って来ると
同じ千葉のクワ親友わいわいさんと偶然にもバッタリ。
わいわいさんはこの集落ポイントを1回パスして別のポイントへ。
夜も深くなった頃、別の場所で再びわいわいさんとバッタリ。
自分はボウズ、
わいわいさんのケースにはオオクワ♀がしっかりと納められていた。
どこで採ったのかを聞いてみた。
「あのふじさんと最初にあった場所ですよ」
「しばらく後に、あの集落に行ったのですが、
またふじさんの車があったので素通り、
3回目は誰もいなかったので
見に行くと桜の樹に掴まってましたよ」と。
またふじさんの車があったので素通り、
3回目は誰もいなかったので
見に行くと桜の樹に掴まってましたよ」と。
「・・・・・・・」
ほんの少しのタイミングの違いでオオクワ♀は飛来したようだ。
これって何なんだろうとショックを受けた。
たくさんのライバル達が目を血眼にしてオオクワを探している。
そんな人たちが回る有益な場所の一つに親友より多くの
時間を費やした自分。
しかし、採ったのは2回も同ポイントを諦めた親友。
「これが引きなのか?」
では、逆に考えたら、いくら自分が
鉄板ポイントにライバルを押しのけて早く着いても
採れない時は採れないのではないだろうか。
大事なのは他者より早かろうが遅かろうが
丁寧に大事に見るという事。そう学んだ気がした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、話を山形に戻そう。
時刻は20時40分。ここまでの採集結果は普通種13頭、オオクワ1♀。
9月の外灯回りとしては上々の流れである。
天候は雲も少なくなり星々が煌きだした。
それにしても、この時間まで採集人を1人も見ない。
もしかして、自分の独り舞台。
そんな幸せな状況があるのだろうか・・・。
んなぁ甘いわけはない、先に見える有望外灯の下には
青年採集人が二人いた。
私は窓を開けて挨拶をし、頑張ろうと伝えた。
私は窓を開けて挨拶をし、頑張ろうと伝えた。
彼らは新潟から来ていて昆虫各種に興味があるみたいだ。
早い者勝ちなので、私は車をターンさせて次の外灯に向かった。
青年らの外灯から道を1キロほど進み、4本目の外灯横をゆっくりと徐行。
青年らの外灯から道を1キロほど進み、4本目の外灯横をゆっくりと徐行。
オレンジがかったように見える灯下に
ひょこひょこっと歩く厚みのある個体が目に飛び込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・( ̄□ ̄;)!!」
「オオクワだーっ!」
紺のアスファルトの上でピタッと止まる丸こい影。
ライトの光を反射させる美しく黒く光る背中。
「本日2頭目の山形産だー」
ちなみに2頭目ゲットの時刻は21時10分。
「これはいくつ採れるか分かんねぇぞ」
と喜び勇んで次の次の外灯へ。
この外灯は1頭目が採れた外灯なので、またまた期待してしまう。
「あっ・・・・・」
先行者の青いお車が鎮座しております。。。
「危ねぇ危ねぇ」
自分の後ろには青年2人の車が迫り、
前方からは青い車がやって来ている。
まさに挟み将棋!!!!!
と言う事は、ほんの1歩違いで2頭目の♀が採れた事だ。
ライバルが多くても採れる時は採れる。南会津の逆再現である。
この後は21時台、22時台と少しだけ普通種の顔を見て、
23時台はゼロ。
23時台はゼロ。
なんとか一晩にオオクワ3頭という記録を達成したく
深夜2時まで回ったが、そのドリームは叶わなかった。
しかし、今年もオオクワガタと対面する事が出来た。
山形産は5年ぶりだ。
その夜は某道の駅で気持ち悪いくらいに気持ちよく眠れ(どっちやねん)。
翌朝は上杉謙信公らの眠る上杉家御廟に手を合わせ、
小野小町や伊達政宗が浸かったという小野川温泉でさっぱり。
「なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも」の名言を残した
江戸中期の米沢藩主・上杉鷹山日帰り入浴も安価なので採集の後にはお薦め(300円)。
また、すぐ近くに田んぼアートや米沢昆虫館もある。
こうして灯下採集の疲れを米沢で癒し、オオクワと共に帰路に就く私でした。
やっぱり東北はいい!来年はペアで採りたいなぁ。
山形県南西部採集成果
2013年9月1日夕刻~9月2日深夜
コクワ 1♂1♀
ノコギリ5♂♂5♀♀
アカアシ4♂♂4♀♀
ミヤマ 3♂♂
オオクワ2♀(共に39mm)