ふじたいらの道草日記

自由にライターしています。旅、古代遺跡、UFO、大自然、昆虫、地震雲など、いろいろなモノに興味深々。楽しく、不思議でワクワクするようなネタを公開していきたいと思います。

2017岩手採集・十年オオクワ

岩手産WF1

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2017年8月に岩手県で採集して来た3頭の♀のうち1頭のみが持ち腹だった。その幼虫たちすべてが2年1化で羽化。綺麗にかえってくれました。岩手県産なかなか格好いいです。写真はWF1、72ミリです。

十年オオクワ<最終章・南会津でフィナーレ>

2017年8月24日夜

東北道を南下し、途中から磐越自動車道で会津若松市に

入り、南会津へ。

ポイントに到着したのはゴールデンタイムの20時34分。

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    ▲1頭目はスーパーの照明に飛び落ちた走るミヤマ




うん?


空が明るい・・・


何なに・・・


よくよく見ると


町の野球場でナイターが行なわれ照明が煌々と点いているではないか。


う~ん、うらやましいほどの光量だ。

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       ▲やっぱスカイフィッシュは虫の映りこみだなと思った。




私は光に群れる虫たちと同じ様にナイター設備の真下へ引き寄せられた。


試合も終わり野球関係者が帰り支度をしている。


私は「虫を採りたいのですが、いいですか?」と関係者に。

「いいですけど、もう少しで消えますよ」

「はい、静かに見ますので」

虫は多い、

だけど意外に甲虫は少ない。

意外なほどの少なさだ。

そんな中、拾い上げたのはアカアシとノコのみ。

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    ▲球場にいたアカアシ



光の性質が何か違うのかもしれない。

間もなくライトは消え、グランドは闇に包まれた。

私はここからはまだまだ遠くのポイントで外灯回りをしている

わいわいさんを目指して走った。

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    ▲ミッション:インポッシブルばりのアカアシ♀

21時06分 ノコギリ♀

21時14分 アカアシ♀大

21時20分 ノコギリ♂

21時50分 コクワ♂

22時05分 ミヤマペア
       ノコギリ♀

ここでやっとわいわいさんとコンタクト。


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                                ▲外灯採集の達人・わいわいさん。。。

千葉県の二人のおじさん採集人が夜の南会津で落ち合うなんて

どんな事よっと思う。

虫取り少年だった頃に何十年後のこの姿を想像できただろうか・・・

面白すぎて笑える

ロマンチックというカタカナよりは浪漫ちっくが合う。


「ふじさん、どうですか」

「わいわいさん、ダメですねぇ」

「ふじさん、これコチラの名産トマトジュース」

「おっ、いいですね~、頂きます」

「ところでわいわいさん、今夜はどちらでおねんねでっか?」

「ちょっと北の道の駅でどうすっか」

「あの温泉もあるところですね。じゃぁ自分も回り終えたら行きますね」

「じゃ、また」

二人は再び、それぞれの思った方向に走り別れた。



気温は20℃。


条件は悪くないが採れない。


わいわいさんからのゲットメールも無い。


時刻は午前0時を回ろうとしていた。


と、そんな時、わいわいさんからメールが入った。


「橋巡りをして、道の駅〇〇〇に着きました。ビール飲んでふて寝します


ありゃりゃ


わいわいさんは潔いのである。


ちなみにわいわいさんの採集能力は高くて、あともう少しで

南会津産ワイルドオオクワの数が100頭に達する。


こちらは外灯ルッキングのみの成果。まさに達人の領域である。


諦めの悪い私はもう少し回ることを伝えた。

センスの無い人間はそれなりに時間をかけなければいけない。

それにこの旅でラッキーインセクトとなっているヤママユガも登場しているのだから・・・

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午前0時31分

ミヤマの66ミリをゲット。ちょっとだけモチベーションが上がる。

うーん

さすがに今宵は難しいかなぁ・・・


私は最近、少しずつ虫がくるようになった小さな照明の付く

木の電柱に寄ってみた。


照明のまぶしさを避けながら木電柱をゆっくりと見上げる。


「・・・・」

「うん・・・・」


「何かいる」


「ノコかな???」


そいつは外灯の灯りよりも上にいるので眩しくて

何かの♀以外は分からない。


車から網と継ぎ足し棒を出し、結束バンドで合体。

うまくそいつに当てがう。

ただ、こいつがポロッと電柱を放してしまえば、下は草があるので

探すは困難。

落ちたら落ちただ。

私はこんな時、慎重さに欠ける場合があり、後で悔やむことも多い。

さっ、今回はどうだろう・・・


す―っ


「しめた


♀が網に噛み付いてきた!!!


網をそっと路上に下ろす。


オオクワだ!!

やった~~~この旅4頭目のオオクワである。


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日付の変わった0時49分

南会津産

オオクワガタ♀ゲットである。

目的は達したのでわいわいさんの寝ている道の駅に向かう。

もちろん外灯を見ながら。

道の駅に着いたのは1時55分。

長い戦いは終わり、安堵の眠りについた。


翌朝、道の駅のトイレ前でくっちゃべる二人(なんちゅう所で)。


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雨だし売店も温泉もまだやっていない。

オープンは10時過ぎだ。

あまり商売っ気のない道の駅である。

まっ、そこがいいのかもしれませんけどね。


わいわいさんに岩手での樹液オオクワ写真を見せたら

ビックリ。

「岩手って、ここから遠いの?」

「はい、ここに来る倍の距離ですね」

「遠いなぁ・・・」

この後は恒例のクワ談義に花を咲かせて、私は虫のリリースと

蕎麦を食べるために桧枝岐方面へ。

わいわいさんは、もう一晩やるみたいなのでのんびりするようです。

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    ▲左から岩手42ミリ、36.7ミリ、35ミリ、南会津37ミリ

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    ▲昨夜の成果

十年がかりで挑んだ岩手県オオクワ探しの旅も無事目的を達成。

おまけに長年通い続けた南会津でも1頭プラス。

(これでオオクワガタの自己採集県は

千葉、山梨、兵庫、福島、山形、岩手の6県となりました)


昨年は台風の中の採集で苦しんだだけに

「どうなっちまったんだ」というくらいのラッキーに恵まれた採集旅。


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    ▲恒例の裁ちそばセット

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            ▲恒例の山ぶどうソフト

楽しい、とにかく楽しい。


そんな時間もフィナーレが近付いています。

帰宅時の全走行距離は1752キロになっていました。

長い長い採集記となりましたが、
喜んでいただけましたでしょうか?

読んで頂いた皆様にココロより感謝申し上げます。


来年は岩手に続いて秋田も攻めたいと思います。

お楽しみに

じゃ、そういう事で

良いお年を~























十年オオクワ<岩手・其の九 マイギネス>

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2017年8月24日
世界遺産「毛越寺(もうつうじ)」を歩き、

道の駅でお土産を物色。

ペッパーくんとこの後の予定を話し合った? 私は

前日昼間にオオクワがいた樹液に向かう事にした。

↓十年オオクワ其の五 参照




と、さらっと書いているが、

不慣れな土地の偶然見つけた樹の樹液にオオクワガタが

付いていたという事はやっぱり凄いことだと思う。

クワマニアはこいつに出会うために

体を鍛えたり、様々な道具を用意したり、何度も辛酸を嘗めたり

大変な苦労をしてたどり着く虫なのに・・・


しかも、それが大歯という怖ろしい出会い。

そんな出会いがあるなんて思うはずもなく、ココロの準備に比例したように

道具の準備もなく採るに至らなかった。


岩手の奥地でオオクワが棲み付く条件が整った樹液。

隙間も多く樹液たっぷり。

疑う余地の無い

まったくの野生の姿。

その樹に今一度会いに行く

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ただ、その樹に付くまで時間がかかるので、他にもいい樹がないかを

見ながら進む。

1時間くらいヒメオオ探しも含めて樹を探していると

またまた樹液の出る洞のある樹を発見。

道路隅に車を止めて

そっと洞を覗いてみる。


「うん?」


何か小さいのがたくさん詰まっている。。。


クワガタだ!!!


掻き出し棒でカリカリッとやってみる。

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「おっ、スジクワ」


それはスジクワの巣と言ってもいいくらい


洞の中はスジクワがいっぱい。

すし詰めならぬスジ詰めといった感じだ。


そんな状態に興奮しながら


掻き出し棒を使っていると、


地元の車と思われる軽自動車がすーーーーっと止まった。


運転席にはおじいさんが一人。



窓を開けたおじいさんは私に何か言おうとしている。


声が小さく、かすれ声なので、


よく聞き取れない。


顔を近づけ耳を傾けると


おじいさん「今さ、すぐそこを熊が横切ったよ」

おじいさん「熊はさぁ、気配を消して
隠れていることもあるんだから、気をつけなよ」

私「・・・・・・・・・・・・・・・」


私は、ささっとスジクワの大きめなペアだけを採って

ダダダッっと車に戻った。


さっ、次は樹液オオクワのいた樹だ。

車を止めて、網を担ぎ、少し歩いた先にある大木へー。

約8メートル上にある又部分に染み出る樹液。

今日もミヤマたちが群がっている。

ただ、相変わらず逆光でよく見えない。

私は昨日購入した網に竹を継ぎ足したロング網をあてがう。

昨日よりも樹の様子が分かっているので

何匹かのクワガタが入った。


するするするっと

網を平地に置き、中を見る。


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「ミヤマか・・・」

そこに意中の相手はいなかった。


その後、3回ほどアタックするもオオクワの姿は無し。

昨日の刺激でどこかに行ってしまったのだろうか?


逆に言えば、

それでこそオオクワガタだ。

そう簡単に採れてはいけない虫なのだから。。。

クワガタの王なのだから。。。


採れたミヤマを計測すると約65ミリ。

写真ではオオクワガタのみの幹這え部分しか公表していないが、

実際にはミヤマたちとの樹液宴会を撮っており、

その大きさの比較から樹液にいたオオクワガタもこのミヤマと近い

サイズだったと思われる。



暫くの間、樹液オオクワの樹を見上げていたが、

「また今度来ればいいや」

そんなさっぱりした気持ちでその場をあとにした。


きっと、ココロのどこかに

「君のおかげで又ここに来る理由が出来た」

来年もワクワク出来るという希望的な喜びがあったのだと思う。


さて、今宵はどうするか・・・

温泉に浸かりながら考える。

露天風呂から空を見上げると、どんよりした曇り空。

予報ではこの辺り全体が雨。


目標の岩手オオクワは3頭採っている。


さて、どうしよう・・・


そんな時、くわ友・わいわいさん
メールかSNSで
今夜あたり今期ラストの南会津へ
行くとか書いてあったことを思い出した。

連絡を取ってみると、やはり南会津に向かっているとの事。

「よし!!!」


更に今宵の天気予報を検索すると

岩手や山形は雨だが南会津は降らないと出ていた。


もう雨の中を回る必要もないだろう。


私は岩手に別れを告げ、南下する事を決めた。


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▲腹ごしらえは焼肉と盛岡冷麺



たくさんの出会いと出遭いをくれた岩手路に感謝である。

岩手の山神様、

おそらく来年も来ると思うのでよろしくお願いします。


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▲岩手路には早くも雨が・・・・


南会津へーーー

岩手から南会津へはかなりの距離を要する。

樹液を見たり温泉に浸かったりの後に目指すわけだから

大変である。

高速を駆使してもゴールデンタイムには間に合わないかもしれない。

でも、そこにはくわ友・わいわいさんが待っているのである。

「よーし!!!」


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▲夕日に映える不気味な雲



あっ、ここでサブタイトルにあったマイギネスなんですけど、

これはスジクワのことです。

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帰宅してから計ってみたら31.5ミリありました。

今までのマイ記録が26.4ミリ(2011年採集)だったので、

一気に5.1ミリもアップ。




ちなみにこのペアはチバビさんに

くわお土産しました。


十年オオクワ <其の十・最終章・南会津でフィナーレ>に続く















十年オオクワ<岩手・其の八 闇と光のはざま>

2017年8月23日
岩手の夜はすでに23時を回り、

ちらほら見えた地元の採集人もいなくなり、

何度も会話を交わした花巻の

イトウさん、カトウさんも帰路に―。


すっかり寂しくなった山間部の外灯群。

しかし、この時間になっても飛来は続いていた。


同じ様な写真になってはつまらないので、写真はあまり撮らなかった。





其の七で登場したミヤマダイコクコガネをゲットしたのは

23時11分

23時12分  ノコギリ♀

23時14分  ミヤマ♂

23時19分  ノコギリ♀

23時24分  ノコギリ♀

23時32分  ミヤマ♂(大)

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23時41分  ノコギリ♀

23時43分  ミヤマ♀
        ノコギリ♀
        アカアシ♀


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なんだか



まだオオクワが採れる


そんな気がしていた。


このとき、気にしていた言葉は


イトウさんが教えてくれた


「飛んでいるオオクワは闇と光のはざまで落ちる」


その言葉の理由を考えていた。


障害物を避け、暗闇を飛ぶ能力の凄さ。

レーダーでもついているのだろうか?

それとも微妙な空気の流れを察知したり、匂いを感じながら

飛ぶのだろうか。


その暗闇からいきなり光のビームの領域に入ると

今まで使っていた飛翔能力に狂いが生じて

飛行がうまく出来なくなり落ちる。

そういう事なのか?

虫たちやイカなどの集光性とは・・・



私は前日、早坂さんから


「今年はここがよく採れますねぇ」という


外灯群にさしかかっていた。


まずは立て続けにミヤマの♀が2匹。


外灯は下に対して強く、上にはぼんやりという光を放っていた。


「よし、ここに私の車のライトを点灯したまま暫く
ルッキングを続けてみよう」


意識して車のライトが届く下部を見回る。


わざと時間をかけて


イトウさんの話だとライトを消した途端に落ちる虫がいるとの事。


ぼんやりと灯るオレンジ外灯に車の
白っぽい灯りが混じる。


ようは光と闇のハザマに変化が生じるのである。


上記のミヤマ♀を採ってから数分が経過。


「おっ」


「オオクワだ」

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    ▲岩手オオクワ3頭目♀35ミリ

しかも、車のライトから程近い場所に落ちている。


ついさっき見た時はいなかった筈。


あくまでも推測だが、車のライトに引き寄せられた。


そう感じた。


面白い。。。


拾い上げ、感激している間に


23日が終わろうとしていた。

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2017年8月23日 夕刻~0時までの成果


ノコギリ 6♂♂15♀♀

ミヤマ  3♂♂3♀♀

アカアシ 3♂♂2♀♀

コクワ  4♀♀

オオクワ 2♀♀(36.7ミリ、35ミリ)

ミヤマダイコク 1♂



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8月24日

私は世界遺産の町にある道の駅で目を覚ました。

天気は良好。


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さて、気持のいいまま世界遺産の毛越寺(もうつうじ)の見学へ。

入館料は500円である。

ここは世界遺産になるずっとずっと前に若者や節約旅行者が泊まるユースホステル

もあったところで、私も旅人だった頃、お世話になった寺院である。


本日は平日なので人もまばらで清々しい空気が自然と流れていた。

平安時代の遺構を残す浄土庭園でココロ癒され、

夜も昼もこの旅を満喫する。

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約1時間ほどの見学を終えて時計を見ると

まだ午前9時半。

私はお土産でも見に再び世界遺産の町にある道の駅へ。

とりあえずペッパーくんに話しかけながら

次どうするかを考えるのである。

順番としては温泉?

いやいや樹液オオクワだろう!!!

「どうする、ペッパーくん」

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            「知りまへんがなぁ」

十年オオクワ <岩手・其の九 マイギネス>に続きます


 
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十年オオクワ<岩手・其の七 岩手のクワガタ侍>

2017年8月23日
岩手外灯採集2晩目の続き~



この旅、2頭目の岩手オオクワが採れたのは午後7時50分ごろ。



さぁ、これからゴールデンタイムだ。




まだまだいけるぞ~



希望に満ちた2晩目の夜は続く。


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ノコ、コクワ、そしてノコ・・・


ほんとにノコギリクワガタが多い。









そんな時、

とある橋の縁に小さなセミを見つけた。




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おぉーーーーっ



やたら小っさ




もしかして、チッチゼミか???




千葉では見たことないぞ~





私は急いで小さな50円玉を出して比較写真をパチリ!!!




こちらでは当たり前なのかもしれないが、

過去の岩手採集では出会っていない。




やはり、この森にいるのは

オオクワだけではない!!!


そういう事だ


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    ▲またノコギリ


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   ▲小腹が空いたので、伊達の牛たん ランチパックをパクッ。



さて、カトウさんとイトウさんのライトはどうだろう。




外灯から外れ、まずはカトウさんのもとへ。





「ふじで~す。どうですか???」
(ライトの光が強いので誰が来たか分からないと思い、まずは名前を言うように
している)

「いやいや、ここは風が吹いちゃってダメだねぇ」

「見てよ、小虫や蛾も少ないでしょ」

「イトウさんのやっている場所の方が条件がいいよ」

「見に行ったら、きっと採れてるよ」

と数分間クワガタ談義。



「カトウさんはどうしてオオクワ採集を始めたんですか?」

「昔は採れなくってね。ライトを徐々に改良したり

いろんな所で試してやっと採れるようになったんです」

「オオクワガタは幻の虫、自分は

花巻で一番天然オオクワをもっている男

なろうと思ったんですよ」

「そんな事言っているうちに偶然にも知り合いのイトウさんも

オオクワやっていると知って、一緒にやるようになったんですよ」と。

一番天然オオクワを持っている男

それ以上、質問することもない単純明快、気持のいい言葉だ。





さっ、続いてイトウさんのもとへーーー。

「ふじです!!イトウさん、どうですか!!!」

「来ましたよ、4メス」

「えっ、見せてください」

「ケースには大小取り混ぜた天然オオクワ♀が・・・」

「す、すごいですね」

「カトウさんのところは風があって苦戦しているみたいですよ」

「だろうねぇ」

(この時、写真を撮るより話に夢中になってました)

「よく山を照らす人がいるけど、オオクワはさぁ、
この空間を飛んでいるんだよね」

「それをいかに落すか」

「それが問題なんですよ」

「時には谷から上に上がってくるんだよね」

「どんな時に落ちるか、落ちやすいかと言うと

闇と光のハザマに来ると落ちる気がするんだよね」



私「面白い話ですね」



「だからさぁ、ライトを消した瞬間に落ちる時もあるんだよね」

私「ところでイトウさん、シーズンに何度くらいライトやっているんですか?」

「今年は週に4~5かな」

私「・・・・」

「3年くらい前は仕事が終わってから毎日やっていたよ」

私「えぇぇぇ・・・・」

「去年だっけ、ふじさんがブログで書いた
東北上陸の台風が来た時があったでしょ」

「あの日も来ようと考えたくらいなんだ」

私「ええぇぇぇっ、そうなんですか」

私「なにもそんな日まで・・・」


「だってさぁ、自分が来ていない日に大きい奴を
採られたら悔しいからさぁ」


他の人に大物を採られたくない!!!


まさに二人とも真のクワ馬鹿、いやその言葉はふさわしくない

クワガタ侍だ

ちなみにイトウさん、今シーズンも70頭近く採集しているが、

自宅で飼っている

のは大歯2頭のみとのこと。




この方は、飼育者ではなく、狩猟本能のなせる業、

クワガタマタギと呼ばせてもらおう。

本日採集のメスたちも離れた山に放すとの事だ。



熱い二人のお話を伺い、

再び外灯回りに戻る。

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    ▲片方の上羽なし。どんな飛び方するんだろう???

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やはりノコノコちゃんが多い。

約1時間が経過。




私は再び、クワガタ侍のもとへ。



「カトウさん、どうですか?」

「♂が来ましたよ」

「あとは小さな♀」


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ペアとは素晴らし~い。。。

憧れの目で見ている私に

「この2頭は小さいから後で放しちゃいますけどね」

私「えっ・・・♂なのに・・・」

二人とも

オオクワレベルが高いようです。



さすが、セキネさんが言っていただけあります。





「あとオニクワやミヤマダイコクが来ましたね」

「み、見せて下さい」

オニクワは南会津で見ているが、ミヤマダイコクは初めてだ。

大きさは先ほどの50円玉くらいある。


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「こ、これがミヤマダイコクですか~」

「かっこいいですねぇ」

手に乗せて撮影(糞虫ですけどね)。

この後はイトウさんにカトウさんの獲物を伝えて、

私は再び外灯を回ります。



すると、

私的に熊が出そうな外灯下に黒ピカリの虫が見えました。




熊が怖いので、さっと近付くと




「やり~っ」



ミヤマダイコクコガネの♂でした。

それも少し大きめサイズ。


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あらためてカッコいい。

気がつくとゴールデンタイム

とっくに過ぎ、時刻は午後11時を回ろうとしていました。






まだまだ外灯回りは続きます。




十年オオクワ<岩手・其の八 光と闇のはざまで>に続く


















十年オオクワ<岩手・其の六 2頭目>

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2017年8月23日午後
 樹液オオクワの存在に

気付いたのはゆったりと時間が流れる

ティタイムが合う、そんな頃。




私は崖下に落してしまった網の代わりを買うため

市街地まで数十キロ戻り、ショッピングセンターで百均網を購入した。

網は手に入れたが、この時間からあの樹液まで戻っても

外灯採集の時間が少なくなってしまう。




樹液採集は明日にして山の外灯を目指そう。





なんとなくついている気がしたので、センター内の宝くじ売り場で

スクラッチを購入(削るのは帰ってからだ)。その流れで、売り場のおばちゃんに

この近辺で美味しいラーメン屋がないか聞いてみた。

夕食にラーメン食って、お山に向かおうという計画だ。

さすが、いろんな方と会話があるお仕事。

味噌系ととんこつ系のお店をさささっと紙に書いて教えてくれた。


「味噌がいいなぁ」と

そのお店を探す。

近くまで来ているはずなのだがイマイチ場所が分からないので、

今度はクリーニング屋さんで聞き込み。

すると、こちらのおばちゃんがすぐに場所を教えてくれたのだが、

「私はとんこつ醤油系の方でパートしていたの「やどかり」って言うの、

そっちもよろしくね」と。


オオクワ♀が採れ、樹液オオクワまで登場。

この良い流れを壊したくない。

流れに身をまかせよう。。。


私は味噌系を止めてとんこつ醤油系のお店を選んだ。

店名は「やどかり屋」

店内は7割ほどのお客さんで埋まっていた。

価格的にも味的にも満足。


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「よし、ラーメン食ったし、2日目の外灯採集にGO~だ」



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やって来た。

まるで映画「未知のとの遭遇」を彷彿とさせるような暮れかかる坂道。

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We are not alone.
宇宙にいるのは、われわれだけではない

そう、これから

岩手路にいるのは私だけではない

とか

この森にいるのはオオクワだけではない

が展開されようとしていたのだ。



18時50分、最初の外灯群をスタート。

気温は24℃。

ほんの少しだけ小さな雨粒がぱらりぱらりと落ちるが、

空気は澄み、肺からも見えない粒子が栄養となって体中を駆け巡る

そんなイメージが湧くゴールデンタイム前。


希望に満ちた時間帯である。



と、昨日、つぶれたオオクワ♀がいた外灯下へ。



うん?



カブトの♀か・・・?




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いや、それにしては小さめだし、少し形状が違う。



これは何かの本で見たことがある


う~ん、なんだっけ


う~ん?


うんっ?!





オオチャイロハナムグリだ!!!



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知識にはあったが、


初めて見た。生まれて初めて見たのだ。




たしかこれって、準絶滅危惧(NT)に属するハナムグリだ↓




栃木のレッドデータも参考まで↓


幼虫は、ブナやミズナラ、杉、ヒノキなどの大木の樹洞の腐葉土で育つそうです。






おそるべし岩手路。。。

結界が解けたとたんにいろんな生物が

現れ出しました(潰れてるけどね)。


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午後7時

飛んできたばかりの中デカミヤマが登場。

60ミリ前半でしょうか。


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そして、ノコギリの♀。

アカアシの♂が登場し、少し山を入ったところの昨日セキネさんが

ライトトラップをやっていたところを見に行った。


すると、今日も2ヶ所でライトを点ける人たち。


おそらく

イトウさんにカトウさんだ。


なぜ名前を知っているかというと、


昨夜オオクワ採れました報告をセキネさんにしたら

「今夜は花巻の虫の知り合い二人がライトをやっているかも」

「イトウさんという方はふじさんのブログも知っている人ですよ」

と事前に情報が入っていたのです。


さっそくご挨拶に行くと

手前のトラップがカトウさん。

奥のとらっぷがイトウさんでした。

カトウさんは人当りが良い感じでほんわかした方。

イトウさんは背が高くて、リズム感と勢いがあるそんな方。

二人の間は約200メートルくらいあるでしょうか。

私は「何度か見させてもらいに来ますけどいいですか?」

聞き、承諾を得ました。


今宵の採集もなんだか面白い事になりそうです。


私はライトトラップの地から再び外灯を巡ります。


昨夜、オオクワが採れた外灯を過ぎ、麓に向かいます。



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ノコギリの♀


最初の年や次の年もそうでしたが、ここはノコギリクワガタがとても

多い気がします。

新潟の産地を回った時も同じ様に感じました。

標高の関係もあるかもしれませんが・・・


町の灯りが遥か遠くにキラキラと瞬きます


雨はほとんど降っていません。



ありがたい・・・


昨夜、すでに目標は達成しているので、

焦りはありません

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道路の中央付近に見覚えのある影。。。




やった!!!

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オオクワです!!!!!!!



十年がかりの採集で採れなかった

オオクワがすでに2頭目です。



流れとか、引きとか、運とか、いったい何なのでしょうか?


この正体が分かれば苦労する事はないのですが・・・


でも、苦労しないで採れたら有り難みも無く、すぐに飽きてしまうでしょう。


人間に常に付きまとうジレンマ。


そんな事考えてもしょうがないので、素直に喜んでココロと体の赴くまま

次に行きます真顔






十年オオクワ<岩手・其の七 くわがた侍の言葉>に続きます






























十年オオクワ<岩手・其の五 恐るべし>


昨夜8月22日夜~23日午前0時過ぎまでの採集結果は

ミヤマ2♂♂3♀♀
アカアシ3♂♂
スジ1♀
ノコギリ6♂♂9♀♀
コクワ2♀♀
オオクワ1♀(41.8ミリ)

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2017年8月23日朝

いつもの道の駅で目を覚ました私は世界遺産のすぐお隣の駅へ。

近隣の地図やパンフレットをもらうためだ。

それからどんなお土産があるかのチェックも・・・。


さて、2日目の昼間はどうしようか?


世界遺産・毛越寺を見に行くか?


山の上の温泉に行くか?



それにしても

昨夜は凄い夜だった。




早坂氏に出会い、珠玉のオオクワ♀をゲット。





その帰りの外灯巡りで

いままで体感した事のない



馬鹿デカイ

落雷に遭遇した。



いきなり


ドガガーーーン !!!!!!!!!


それは車に落ちたわけではないが、ほぼ真上に落ちた。



おそらく斜面上の鉄塔か何かであろう。



過去に道の右端の電柱に雷が落ち、電線が燃えたのを見た事があるが、


衝撃波はそれよりも大きく、


体が震えカーブでハンドルを上手く捌けなかった。


それだけではない、

数十メートル先にある4本の

外灯が一斉に消えうせた。



数分後、落ち着きを取り戻した私は



山神様が

「これでお前の望みを叶えたぞ」

「これより結界を解く!」


その合図だったのかもと勝手に解釈した。




この落雷の後、しばらく闇と無音につつまれたと思ったら、


急に大雨が降り注いで来た。




これで第一章は閉幕した。



おそらくそうだ。


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どこに行こうか迷ったあげく、結局この日は

山の上にある温泉に癒されに行く事にした。

過去に採れなくて心折れそうになった自分を慰めてくれた地球ぢからの噴出し処。

この日は10年前と同じく霧にむせんでいた。

岩の間から懇々と流れ続ける熱湯も変わらなかった。

凄いエネルギーだ。

変わったのは自分の歳だ。10年前は40代だが、今は50代だ。

おーっ、ヤダヤダ。(´д`lll)

お客さんもチラホラ、秋田と岩手ナンバーが多い。

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こちらでは

源泉に近い内湯と乳白色の大浴場でゆったり。

ほてった体で神域として祀られた源泉を見学したり、川のように流れる温泉に足を入れたり、

本当に癒される温泉場である。

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とここで温泉場外のベンチで手作り弁当を

食べる親子連れ。

良く見ると、がっちりした男性はさっきまで温泉の受付をやっていた方だ。

「どうだい内湯は?」

「はい、熱かったです」

「熱すぎて入れませんでしたけど、それが本物ですね」

とそんな会話を・・・

つづいて

「千葉からクワガタを採りに来たんですよ」

「クワガタと言ってもオオクワガタなんですけどね」

「どれどれ見せて」

「おおっ、これは♀だけど確かにオオクワだわ」と男性。




小学校低学年らしき男の子がいたので、

この子も興味津々だ。



奥様らしき女性も

「ええっ、千葉からオオクワガタを求めて来たんですか」

「ロマンがありますね~」と感心しています。

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    ▲近所のおじさん、おばさんに付いて来た秋田のまお君(写真許可もらっています)




更に話は続き、家族かと思ったこの3人は男性と女性は秋田県のご夫婦。

男の子は近所の子供で山遊びに連れてきたとの事。

信頼して他所の大人に子供を預ける。

古き良き日本のふれあいが残っているなぁと感じた。




よく見るとこの男の子、なかなか素直な心を持っていそう。



帽子にはカブトムシの姿が!!



「クワガタ好きかい?」

「うん」

「秋田ではどんな虫が採れるの?」

「うーん、この間、ヒメオオクワ採った」



えっ、こんなちびっ子がヒメオオ知っているんだ。しかも採ってるし。。。

昨日採れたクワガタをこの子にあげよう(オオクワを除く(笑))

そう思った。



その事を告げると3人とも大喜び。

入れ物はと、食べ終わったタッパーを急いで洗う女性。




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    ▲この虫たちをプレゼント。餌はチバビさんの差し入れてくれたバナナを食べた残骸。




「今夜も採集をするので、もしかしたら明日も来るかもしれません」

「おおっ、是非来てよ」と受付男性。

また一つ、小さな出会いがあって温泉場を去った。

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    ▲クワガタのかわりにお菓子を頂いた。


秋田県と岩手県の境にある温泉地は

霧につつまれていたが、

高度を下げると徐々に晴れ間が見えてきた。

「おっ、ヒメオオか!!!


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10年前は同じ様なシチュエーションで

ヒメオオの♀をゲットしている。

が、、、


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ミヤマのメスだったニヤニヤ




ヒメでないのは残念だったが、小さなクワガタたちの息吹を感じるだけでも

幸せな気分になった。




これからまだまだ時間がある。

樹液の出ている樹を探し回ってみようではないか。




案外、田んぼ横の樹や何気ない畑脇の樹

でも樹液が出ていて、

コクワなどは

すぐに見つける事が出来た。




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    ▲岩手県産コクワ

のんびりと車から降りたり乗ったりを繰り返しながら

ルッキング。


時折、大木の又に樹液がにじみ出ているのを見かける。






そんな時だ。





大木の、そう高さにしたら8メートルはあるだろうか、

その又の部分にミヤマが何頭か群がっている場面に遭遇




なかなかいい光景である。



ミヤマたちはそれなりに大きいと感じるのだが、

反対側から太陽の強烈な光が邪魔をして

逆光となり、いるのは分かるのだが、細かい部分はよく判らない。


「うーーーーん、8メートルの網か・・・」

私は車に戻り、普通の100均網に竿や棒を結束バンドでつなげて

ギリギリ届く継ぎ接ぎロング網を作った。





現場に戻り、光をさえぎるように目を細めながら

樹液ミヤマ群がり部分へ網を伸ばした。





継ぎ接ぎ網なので、ユラユラと安定しない。




背伸びをして、なんとかミヤマ群れに網が届く、

網の枠が1頭のミヤマのアゴに引っかかった。




よし、


網の縁でアゴの部分がそりあがって見える。





「うん?」



きらりと一瞬


光にさらし出されたアゴ。



「えっ?」



なんか、ミヤマと違う(゜д゜;)


気のせいかな


なんか



なんだか



そり上がった鹿角のようなアゴ



どこかで見た気がする


ヒメオオの♂


いや、


もっと迫力がある・・・


もしかしたら


もしかしたら



オオクワガタ???


オオクワガタだって!!!


まさか・・・





えいっ、



パラパラパラ


網を樹液部分で揺らしているので


大きめのミヤマが次々に落ちて行った。





あああっ、草藪でその先は斜面と崖なので探せない・・・





その時だ、


くらくらくら、


ぽっきり



最上部の網が折れ、斜面の先に落ちていった。





「あああああああっ、大型のミヤマも

オオクワかもしれない個体も

斜面の先の崖下に・・・」


樹液部分を見上げると


肉眼ではもう何もいない状態になっていた。


居たとしても、網が無ければ勝負のしようもない・・・。


私は樹の部分写真を何枚か撮り、


その場を離れ、


市街地の百均につなぎ用の網を探しに行った。






あれはオオクワだったのだろうか?





もし、オオクワガタだったら

大変なことだ。





時刻は午後2時を回ったばかり、

そんな真昼間から

オオクワガタが樹液にいるなんて・・・





夢でも見ているのだろうか・・・




しかも、大歯・・・





でも、これが本当なら




凄すぎる事実。




恐るべし岩手路である。




いったいあれはなんだったのだろうか?




何かの見間違いである可能性も大いにある。




私はショッピングセンターの駐車場に車を止め、


今一度


デジカメの写真を見てみた。


「・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



えっ



そこには


ミヤマと一緒に落ちたであろう


謎の虫が写っていた
のである。



現地では逆光のためよく見えなかったのだが、


写真では上手く写っていた。





その虫は


そんな網の振動で落ちるような


ヤカラではなかったのだ。





しっかりと


幹に掴まり這っていたのである。





その写真がこれだ






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                    ▲かなり拡大




幹這えオオクワガタ

しかも大歯

それ以外の何もの

でもなかった!!!




十年オオクワ<岩手・ 其の六>に続く↓

十年オオクワ・其の六





※写真は樹が分からないように加工してあります。

















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